「正解」
この度、選手日記を担当します。
福岡大学サッカー部4年の高瀬翔です。
いきなりですが質問です。
「あなたがこれまでの人生で行なってきた選択の中で、選択ミスだったと思うものはありますか」
これは、私が就職活動の面接時に実際にされた質問です。
皆さんもぜひ回答してみてください。
ある研究によると、人は1日に3万5000回の選択をしていると言われています。
朝何時に起きるのか、何を食べるのか、どこに出かけ、何をするのか。
そもそも一日中何もしないという選択だってあります。
今この瞬間に、私の選手日記を読んでくれていること。これもまた、選択です。
このように普段なんとなく行っている選択もあれば、
どこの高校、大学に進学するのか、どの企業に就職するのか、誰と結婚するのか。
というように人生の岐路に立ち、重大な選択をするときもあります。
後者の選択をする時、人は悩みます。
何も考えずに決断できる人はいないでしょう。
そして多くの人が考えます。正しい選択をしたい。後悔したくない。と。
つまり、「正解」を探すのです。
ですが、私は選択の時点で「正解」は無いと考えます。
どんなに賢い人に聞いても、私のことをよく知る両親に聞いても、もちろん選択を行う私でさえも、必ずしも「正解」の選択がどれなのかなんてわかりません。
当然、選択をする際により多くの情報を収集し、
自分の思い描く理想の環境に近い選択をすることは可能ですし、
選択をする際に悩むことや、様々な角度からその選択に対しての考えを巡らせることは大切です。
しかし、どんなに時間をかけて選択を行なっても、
それが、その先の成功を保証するものにはなりません。
結局は選んだ道での自分の行動次第で、その選択は正解にも間違いにもなり得るのです。
つまり、私にできることは、「自分の選択を正解にすること」だけなのです。
「自分の選択を正解にすること」は、
口で言うほど簡単なことではありません。
「自分の選択を正解にする」ために必要なことは大きく2つあると思います。
1.必ず最後は“自分で”選択すること
誰かに相談するのは良いことです。
多くの人の意見を聞き、様々な価値観に触れることは
考えを整理する上で大切です。
しかし、最後は自分で選択しなければなりません。
つまりそれは、自分の選択に責任を持つこと。とも言えます。
誰のせいでもなく、自分が選んだ道だと、胸を張って言えること。
これが1つ目の必要なことです。
2.自分なりの「正解」を持つこと
ここまで「正解」と言う漠然としたものを話の中心にしてきました。
「正解」は自分の中にしか存在しません。
今この文章を読んでくださっている皆さんの中にある「正解」は一人一人必ず違います。
なぜなら全く同じ生き方をしてきた人はこの世のどこにもいないからです。
だからこそ、世間のいう一般的な「正解」に囚われずに、
自分なりの「正解」を明確に持つことが非常に重要だと考えます。
ここまで選択についての持論を展開しましたが
ここで最初の質問に戻ります。
「あなたがこれまでの人生で行なってきた選択の中で、選択ミスだったと思うものはありますか」
という質問に対し、私は
「ありません。これまでの人生で行ってきた選択は全て自分の意思で選んできましたし、そこで得た成功、失敗、その全てが今の私に活きています。」
と回答しました。
これまでの人生の選択において両親は、必ず私の意見を尊重してくれました。
それと同時に、厳しくその選択に対する責任と覚悟を確かめてくれました。
今思えば、それが咄嗟に出たあの回答に詰まっていたと思います。両親には感謝しかありません。
皆さんの回答はどんなものだったでしょうか。
この文章を読んで、数年後に同じ質問をされた時に、少しでも良い方向に回答が変わっていれば幸いです。
最後に、私は大学4年目に部活でサッカーを続けるという選択をしました。
誰の意見でもなく、自分の意思で選択しました。
これまで15年間続けてきたサッカーに今年で区切りをつけます。
来年からは、新たなフィールドで1から戦います。
ここまで続けてきたサッカー人生の集大成。
新たな挑戦に向かうその前に、必ず自分のサッカー人生を「正解」にしたい。
強い責任感と覚悟を持って最後のシーズンを戦います。
そして卒部式の時に、
『この福岡大学サッカー部で4年間サッカーをする。という選択が、私にとって「正解」でした。』
と、胸を張って言えるように。
今日も目の前にある、小さな選択に責任を持って、自分の選択を「正解」にできるよう、行動していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今年の福岡大学サッカー部の躍進にご期待ください。
今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
高瀬 翔
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